IT人材不足に関して、経済産業省は2016年6月に27年度調査研究レポートとして、IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめた。
経済産業省によると、「IT人材(IT企業とユーザー企業の情報システム部門に所属する人材の合計)は現在91.9万人なのに対し、17.1万人が不足している」と推計。
2019年以降は労働人口が減少する一方で、IT需要の拡大傾向が続くため、人材ギャップが更に悪化するという。
そして、このままIT市場が高率で成長した場合、約10年後の2030年にはIT人材の不足数は78.9万人にのぼると予想している。
このIT人材不足の背景には、AI(人工知能)の普及が要因のひとつに挙げられる。
AI技術が仕事や生活の中に浸透していくと、多くの物事がAI中心で機能するように。
これに伴い、AIを活用する人材の需要が飛躍的に増加し、IT人材不足にますます拍車がかかるという構図である。
さらに、近い未来においてAIの台頭を暗示させる、次のような研究も発表された。
野村総合研究所とオックスフォード大学のマイケル・Aオズボーン准教授らが2015年、日本の職業の消滅率を発表した。
共同研究の結果、今後10~20年以内に「日本の労働人口の約49%が、技術的にはAIなどで代替可能になる」という。
また、この共同研究で日本はアメリカよりも「AIやロボットで代替できる仕事をしている人が多い」事実も明らかになった。
消滅する可能性の高い職業(下記図2参照)の特徴は、「必ずしも特別なスキルが求められない職業」「システム化による自動処理で置き換えられる職業」。
逆に、可能性の低い職業の特徴は、「抽象的な概念を整理・創出するための知識が必要な職業」などという。
図2)
AI〈人工知能〉やロボット等による代替可能性が高い100種の職業(50音順、並びは代替可能性確率とは無関係)
※職業名は、労働政策研究・研修機構「職務構造に関する研究」に対応
一般事務員 スーパー店員 警備員 建設作業員 タクシー運転手・・・
その他の職業は +
この大きな時代の変化に適応するため、我々も手をこまねいているわけにはいかないのではないだろうか。
今後、AIやロボットと共存するためには、それらを扱う知識や技術が必須になる。
極端に言うと、AIのスキルを持ち、それを活用できるIT人材が生き残る。
現在、AIをはじめ、次世代のIT業界に求められる技術を学べる通信制の大学が増えてきた。
そのうちの一つにサイバー大学がある。
同大学では、「Webを活用したマーケティング手法や、AIやIoTの技術など、IT業界に求められる実践的で最先端のビジネス・ITスキル」を働きながら無理なく学ぶことができる。
今のうちに、ITスキルを取得するのは、最善の策のようだ。
サイバー大学
ソフトバンクがつくった完全インターネットの大学。2007年設立から12年の実績。在籍学生数は約2,500名(2019年5月時点)。
通学が一切不要なので、在学生の6割以上が社会人。大卒資格(学士号)を取得できる。
現在、2019年10月入学者募集中。
[グラフ・データの出典]
(図1)
2016/6/10発表 経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」より
(図2)
2015/12/02発表 株式会社野村総合研究所 「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に~601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~」より